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Redboxが終了になる

Redboxが終了になる

ビデオレンタル事業を破壊し、Blockbuster Video等のレンタル店舗の消滅を招いた2つの会社がある。1つは1997年に郵便によるサブスクリプション制のDVDのレンタルからスタートし、ストリーミングを始めたNetflixである。もう1社は、2004年にスタートし、スーパーマーケット等の店舗にDVDとゲームディスクをレンタルする自動キオスクを設置したRedboxである。Netflixは最大のSVOD事業者になっているが、Chicken Soup for the Soul Entertainment(CSSE)社の破産により、20年間続いたRedboxが終了した。

RedboxはファーストフードMcDonald’sの新規事業イニシアチブから生まれ、最初はマックの店舗で自動キオスク使い、新鮮食品等を販売するコンセプトであったが、2003年に中止になり、翌年にディスクレンタルとして再スタートする。2005年に自動コイン両替機のCoinstar社が事業を買い、Redboxの赤いキオスクは全米スーパーマーケット等に設置され、急速に成長する。

RedboxはNetflixよりも参入が遅く、Redboxのキオスクが普及した2007年頃にはNetflixはすでにストリーミングを開始していた。店舗でのレンタルを減らしたのはNetflixで、トドメを刺したのがRedboxである。Digital Entertainment Group(DEG)よると2010年のビデオディスクのレンタル市場規模は$58.5億であった。Netflixのサブスクリプション型のシェアが39%になり、店舗でのレンタルのシェアに並び、キオスクは22%であった。2013年にはレンタル市場は$39.8億に落ちるが、キオスクは大きな成長をし、市場のほぼ半分を占める48%になり、店舗とサブスクリプションのシェアは共に26%に落ちる。Blockbuster Videoは2010年に連邦破産法11章の適用を受け、営業を続けるが、2020年に最後の店舗を閉めている。

Redboxのピークは2013年で、4万台のキオスクを持ち、$7.7億枚のディスクを貸し出した。しかし、すでにビデオディスクの時代は終わり始めており、ビデオ・エンターテイメントに占める物理媒体のシェアは2013年では65%になっていた。2017年には物理媒体のシェアは41%に落ち、Redboxの売上も落ちていく。

Redboxもストリーミングに参入している。2012年にレンタル、プラス、ストリーミングのハイブリッド型のサブスクリプション・サービスのRedbox Instantを開始するが、19ヶ月で終了になる。2017年にTVODのRedbox on Demandを開始し、2020年にはFASTのRedbox Free Live TVを始めるが、これらも成功しなく、Redboxの2020年の売上は$5.5億で、2018年の半分に減っている。

2022年にCSSEが$3.75億でRedboxを買収する。Redboxはディスクのレンタル事業に再フォーカスするために、減少してきたキオスクの数を2.6万台に増やす。しかし、ディスクのレンタル市場は2022年ではすでに$5億に落ちており、キオスクを増やしてもカムバックすることは出来ない。CSSEは1990年代に自己啓発本で大成功し、ビデオ事業に参入するために、Redbox以外にScreen Media、Popcornflix、Crackle、Sonar Entertainment、1091 Pictures等も買収しているが、どれも失敗で、2023年の負債は$10億を超え、$6.4億の営業赤字を出し、7月10日に破産した。

 

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