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Paramount+を救う方法はあるのか

Paramount+を救う方法はあるのか

Skydance Mediaによる買収が消滅し、Paramount Globalは自力で会社を立て直すことになる。Paramount Globalは$146億の債務があり、2023年度は$6.1億の損失になっている。映画、放送、ストリーミングの3つの事業の内、映画と放送は赤字である。放送は黒字だが、収入と営業利益はそれぞれ前年期から8%と12%の減少になっている。最大の問題はストリーミングで、その2023年度の赤字は$16.6億と大きい。Paramount Globalは資産の売却で債務を減らし、レイオフを含むコストの削減で、赤字を減らす予定だが、ストリーミング事業から利益を出せるようにしないと、根本の解決は出来ない。

Paramount Globalのストリーミング事業はSVODのParamount+、BET+、Noggin、それにFASTのPluto TVである。幼児向けのNogginは7月で終了され、BET+はその母体のBlack Entertainment Television部門と一緒に売却される予定であり、Paramount+とPluto TVが残る。Pluto TVは利益があると発表されているので、Paramount+が赤字の原因である。Paramount+の加入者は2022年末から2023年末では5600万人から6750万人へと20%増え、ストリーミングの売上も34%増えている。しかし、赤字は2022年度の$18.2億から9%減っただけである。

ストリーミング事業からの赤字を無くす簡単な方法はParamount+を止めることだ。自前のSVODは持たずに、ストリーミングからの収入はライセンスに徹する。しかし、放送視聴は減っており、自分でストリーミングのプラットフォームを持たないことは将来を捨てることになる。Foxと同様に映画スタジオとケーブルTV向けネットワークは売却し、地上波とFASTだけになる方法がある。だが、Paramount Globalのオーナーのシャーリ・レッドストーンは会社の解体は望んでいなく、そのオプションにはないであろう。

ストリーミングのコストを削減する方法として、Paramount+とPluto TVの統合がある。プラットフォームを統合し、1つのブランドにする。これによりコストを下げ、FASTを有料サービスのプロモーションに使うことが出来る。しかし、Pluto TVは収益を出せるようになった時点であり、統合しれもコストの削減にはなるが、ストリーミング事業の黒字化は出来ない。

Paramount Globalはストリーミング事業でのパートナーを検討していると発表している。トップ候補はComcast/NBCUniversalのPeacockだろう。欧州ではすでにParamount+が参入していない地域ではComcastのSkyがParamount Globalのコンテンツを配信している。Paramount+も、Peacockもまだ加入者を増やす必要があり、どちらもライブラリーが不足している。ブランドは別でも、配信プラットフォームを統合し、サービスをバンドルするメリットは高い。問題はPeacockのストリーミングからの赤字は2023年度で$27.5億あり、パートナーシップを組んでも黒字化は確実でない。

 

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