スポーツが頼りのテレビ放送
ストリーミングはドラマを放送で見る必要性をなくした。Netflixには放送ドラマ同等の番組がある。放送ドラマを見るのであれば、Hulu等のサービスで見たい時間に見ることが出来、録画も不要になっている。ドラマはストリーミング向けになり、放送向ドラマの制作は減っており、多チャンネル向けネットワークの殆どはドラマから撤退している。
放送で見るコンテンツはリアルタイム性が重要なスポーツ、イベント、それにニュースになっている。しかし、ニュースもストリーミングに進み始めている。全国ニュースはストリーミングされており、ローカルニュースも全ての放送地域で最低でも1つの放送局がFASTでローカルニュースを配信している。アワード等のライブイベントの視聴は減っている。2023年のオスカー賞の視聴者は1870万人で、前年の1662万人から増えているが、2014年の4370万人の40%以下に減っている。エミー賞はピークの2180万人(2001年)の4分の1以下の430万人に落ちている。
結果、テレビで視聴される番組の殆どはスポーツになっている。Nielsenの視聴者データをもとにSports Business Journal(SBL)が制作した2023年の視聴者数のトップ100の番組(https://bit.ly/47v60X7)の内96本はライブスポーツで、昨年の94本から増え、2020年の75本からは大きく増えている。
当然だが、最も視聴者が多かった番組はスーパーボウルLVIIで1.114億の視聴者があり、2位のNFLのAFCの決勝戦の5312万人の倍以上の視聴があった。スポーツがテレビ放送の主体になっていると言うより、NFLが主体になっていると言うべきで、トップ100中、93はNFLの試合で、昨年の82試合からさらに増えている。
スポーツ以外の4つの番組とは、23位のMacy’s Thanksgiving Day Parade、37位のState of the Union(バイデン大統領の2月のスピーチ)、63位のアカデミー賞、そして93位のNext Level Chefの最初のエピソードである。Next Level Chefの視聴が高かったのは、これがスーパーボウル直後の番組だったからで、このエピソードは1566万人が視聴したが、次回は193万人に落ちている。
SBLのデータはストリーミングのライブ視聴も含まれている。例えば、98位と100位にAmazonのThursday Night Football(TNF)が入っている。TNFは試合チームの所属都市では地上波放送があるが、他の地域ではAmazonの独占である。Amazonだけでなく、ESPN+とPeacockもNFLの数試合をストリームのみで配信した。Peacockは1月13日にAFLのワイルドカードの試合を独占で配信し、平均で2300万人の視聴があり、最もストリーミングされたライブ番組になった。来年のSBLのトップ100のリストには今年よりも多くのストリーミングでの試合の数が増えるであろう。