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Disney+が加入者を失う

Disney+が加入者を失う

2022年Q1のDisneyのストリーミング・サービスの業績には良いニュースと悪いニュースがあった。良いニュースとしてはストリーミング事業からの収入は前年同期の12%アップで$55億になり、赤字は6.6億で、前年同期から26%減っている。Q4の赤字は$10億であったので、採算性に関しては大きく進歩した。しかし、Disney+は加入者を失っている。世界ではQ4には240万人を失い、Q1では400万人の減少に増えており、2つの四半期で640万人を失っている。アメリカとカナダの加入者はQ4には20万人の増加があったが、Q1では30万人のロスに転じている。

加入者減少の理由は世界と北米で違いがある。Disney+は世界で1.58億人の加入者がある。この内の1.12億人は北米以外の加入者であり、その47%を占める5290万人はDisney+ Hotstarへの加入者である。Hotstarは元はFoxの事業で、DisneyはFox資産の買収でこれを得て、Disney+の一部になっている。主にインドでサービスを展開しており、重要なコンテンツの1つはホッケーのIndian Premier League(IPL)の試合であった。しかし、昨年にDisneyはストリーミングの権利をParamount Global系の会社に奪われている。

IPLのインドでのテレビ放送権は依然として、Disneyが持っているが、ストリーミングはDisney+からJioCinemaに移っている。IPLを失ったことで、Disney+ Hotstarの加入者はQ4とQ1で840万人の減少があった。Disney+ Hotstarの加入者は多いが、収入に対する影響は少なく。それは、APRUが低いことで、Q1では月間59セントでしかない。加入者が減っても売上に対するインパクトは低く。IPLの権利料の負担は無くなるので、加入者のロスが進まなければ、採算性は向上するであろう。

北米でDisney+の加入者が減った理由は、値上げである。Disney+は1月に広告付きプランをスタートした時点で、$8であった広告無しプランを$11にして、広告無しを$8に設定した。広告無しプランを$3も値上がしたことになる。値上げがあると、解約が起きる。Netflixは昨年Q2に$1.50の値上げ行い、加入者の1.7%に相当する130万人を失った。Disneyは広告付きを以前と同じ料金にすることで、値上げに対するリアクション(解約)少なくする考えであった。Q1のDisney+解約率は0.6%であったので、この戦略は成功したのかも知れない。

課題はQ2以降には加入者を増やしていけることが出来るかである。Netflixは2022年のQ2に130万人を失ったが、Q4に$3低い広告付きプランを出したことで、Q4とQ1では101万人を増やした。値上げ前の2022年Q1と比べるとまだ18万人少ないが、ほぼリカバーした。Disney+の場合は、値上は$3と大きく、広告付きプランは安くなってない。解約は少ないが、加入者を増やすには時間がかかるかも知れない。

値上げによりDisney+の北米でのARPUは20%増え、Disneyのストリーミング事業の赤字の減少に大きく貢献をした。しかし、加入者が増えないと収入増加は出来ない。広告付きDisney+の値段は、広告付きNetflixより$1高くなっており、これまでのように加入者を増やすことは容易では無い。

 

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