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Netflix加入者減少の2つの原因

Netflix加入者減少の2つの原因

 

Netflix加入者が減少をした。アジア・パシフィックでは109万人の増加があったが、それ以外の全地域で加入者を失い、合計で20万人の減少があった。減少が最も多かったのはアメリカ/カナダ地域で、64万人を失っている

加入者減少には2つの原因がある。1つは新たなサービスの登場である。Disney+、HBO Max等のSVODサービスに加え、AVODのRoku Channel、Tubi、Pluto TV等もポピュラーになっている。新たなサービスの登場と共に利用しているサービスも増え、Hub Entertainment Researchによると、利用しているビデオサービス(多チャンネル、SVOD、AVOD等含める)の数は2018年の3個から2021年では2倍近い5.7個に増えている。

しかし、利用するサービスが無制限に増えることはありえない。主要な11のSVODサービスであるNetflix($15.50)、Amazon Prime Video($9: SVODだけ)Disneyバンドル($14: Hulu広告付き、Disney+、ESPN)、HBO Max($10: 広告付き)、Paramount+とShowtimeのバンドル($12、広告付き)、Peacock($5: 広告付き)、Apple TV+($5)、Discovery+($5: 広告付き)に加入しても合計は$75.50で、月額が$100を超える多チャンネルサービスより安い。だが、11のSVODに加入しても、どのコンテンツがどのサービスにあるかを記憶し、使いこなすことは不可能である。

金に余裕があり、新しいサービスに加入して見ても、使いこなすことが出来る程度に減らしていくことになる。Parks AssociatesによるとSVODサービスのチャーンは2020年の40%から2021年には44%に増えている。SVODは手軽に加入出来るとともに、解約も簡単であり、1つのサービスに加入し続けるのではなく、定期的に加入、解約を繰り返す「サービス・ホッパー」が登場している。Parks AssociatesによるとSVOD加入世帯の36%はサービス・ホッパーである。

2つ目の理由は、アカウントの共有である。加入者が多いサービスは共有されているアカウントの数も多くなるので、アカウントが共有されているサービスとしては、Netflixが最大である。また、料金が高いサービスも共有される可能性が増える。Netflixは最も高価なSVODサービスである。Leichtman Research Groupによると、Netflix加入者の33%は家族以外の人とアカウントを共有している。

Netflixはこれまでアカウント共有には目をつぶっていた。アカウント共有はサービスを試す人を増やしている訳であり、新規加入者が増えているのであれば、それはマーケティング効果になる。しかし、加入者数が停滞し始めると大きな問題になる。Netflixは南米で有料でアカウント共有を可能にするプランをテストしている。アカウント共有を禁じるのではなく、コスタリカの場合では、1つのアカウントから1人、あるいは2人とアカウントを共有する場合、1人につき$3を徴収する。

Netflixは、またHulu等のように広告を付けることで、料金を下げるプランを作ることも発表した。これまで、Netflixは広告付きプランは無いとは言っていたが、同時に「Never Say Never」とも言っている。コネクテッドTV向けの広告は増えており、Netflixが広告に参入することで規模はさらに増える。Netflixはテレビ放送から視聴者を奪うだけでなく、広告収入も奪い始める。

 

 

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