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AmazonのMGM買収が完了

AmazonのMGM買収が完了

 

Amazonは$85億でのMGM買収を完了させた。100年近い歴史を持つMGMスタジオはAmazon Studioの一部となり、Prime Video、Twitch、音楽、ポッドキャスト、ゲームの事業を管理するAmazon Global Media &Entertainmentの配下に入る。ジェームズ・ボンドの映画で知られるMGMはUnited Artist(UA)スタジオ、有料チャンネルのEpix、4000以上の映画、1.7万以上にTVエピソードを持ち、180以上のアカデミー、100以上のエミーを受賞している。

MGMは2010年に一度、倒産をしており、その後の制作本数は少なくなっている。パンダミック前の2019年の制作本数はMGMとUAの合計でも8本しかなく、Amazon Studioが映画館で公開した9本よりも少なかった。2019年のアメリカ国内での興行売上はMGMとUAの合計で$2.4億で、シェアは2.1%であった。

買収後もMGMのコンテンツはこれまで通りの配給/配信となり、Amazon Prime Videoの独占にはならないと発表されている。しかし、これは現行の契約があるからで、契約が切れるに従い、Amazon Prime独占のコンテンツが増えていくであろう。また、Amazonのオリジナルとして制作するコンテンツはPrime Videoでの独占となる。

Amazon Prime Videoはオリジナルコンテンツの制作をしてきたが、Netflixとは違い、その規模は限られたものであり、既存のコンテンツ事業者と配信契約を重視してきた。スタジオとの競合を恐れないNetflixとは違い、Amazon Prime Videoは配信サービスであり、スタジオとは競争しない姿勢であった。しかし、スタジオがDirect to Consumerを始めたことでそれは維持不可能になってる。

NetflixはDisneyと独占契約をしていたが、Disney+の開始によりDisneyのコンテンツを失っているように、コンテンツ調達は困難になっている。Disneyだけでなく、NBCUniversal、WarnerMedia、Paramount Global(ViacomCBS)等もDirect to Consumerサービスを開始し、最新のコンテンツは独占し始めている。さらに、Apple TV+も登場し、魅力あるコンテンツの奪い合いが起きている。古いコンテンツは他のサービスにも共有されるが、それでは魅了あるSVODサービスにはならない。

SVODサービスで成功するには数多くのコンテンツが必要になるが、コンテンツ事業者が自己のSVODサービスを優先することで、契約可能なコンテンツは減っている。コンテンツを求め、DisneyはFoxスタジオを買収しており、WarnerMediaはDiscoveryと合併する。AmazonはMGM以外も買収する可能性もある。Paramount、Lionsgate等も買収される可能性が高いと思われており、コンテンツ業界の統合はさらに進むであろう。

 

 

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