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Netflixがゲームの提供を始めた背景

Netflixがゲームの提供を始めた背景

 

Netflixは昨年11月に5つのゲームをAndroidとiOS向けにリリースした。これらゲームは外部制作だが、9月にはゲームスタジオのNight School Studioを買収し、社内開発の体制も整えている。Netflixは今後、ゲームがストリーミングサービスへの大きな競合になると予想しており、2018年Q4の投資家への書簡に、FortnightがHBO Max以上に大きな競合になると書いている。

Hub Entertainment Researchが最近に発表した報告書の「Video Redefined」にNetflixの予想を裏付ける統計がある。同社が行った調査によると、スクリーン・ベースの娯楽時間のアクティビティとして2020年ではTV視聴と映画視聴の合計が53%を占めていたのが、2021年で48%に落ち、過半数を割っている。オンライン・ビデオ視聴は11%から12%に増えたが、最も増えたのはゲームで12%から16%に増えている。

この動きは13歳から24歳では特に著しく、TVと映画の視聴は合計でも25%と低く、ゲームも25%となっている。この年齢層では51%がゲーム、オンラインビデオそれにソーシャルメディアに費やす時間がTVと映画視聴の時間に割り込んでいると答えている。Netflixが恐れていることはすでに13歳から24歳では起きている訳である。

スクリーン・ベースの娯楽時間の内訳

Hub Entertainment Research

Netflixだけでなく、他のビデオ・エンターテイメント事業者もゲームに参入しなければこの世代を引きつけることが出来なくなっている。Disney等のハリウッドスタジオはコンピュータ・ゲームの時代にゲーム市場に参入したが、その後、キャラクターのライセンシングに集中し、ゲーム開発からはほぼ撤退している。例えば、Disneyは1988年にDisney Interactiveを設立したが、2016年に閉鎖した。しかし、ハリウッド・スタジオもゲーム制作に再参入する必要が出始めている。

しかし、競争は厳しいものになるであろう。例えば、Microsoftはゲームスタジオとしては最大手のActivision Blizzardを$687億で買収し、ビデオ・エンターテイメント事業にも参入する予兆もある。Microsoft XboxはコネクテッドTVデバイスとしても使われており、Convivaの統計によるとCTVでのストリーミング・ビデオ視聴時間に占める率は5%でLGと共に4位である(トップ4は41%のRoku、18%のFire TV、10%のSamsung TV)。Microsoftは$100以下のXbox Streaming Stickの開発もしている。これは、クラウド・ベースのゲーミング向けだけでなく、ストリーミング・プレーヤへの競合になることは明らかである。

さらに、Microsoftは12月にAT&Tからデジタル広告プラットフォームのXandrを買収している。Microsoftはこれでストリーミングを含めたデジタル広告事業に参入した。ハリウッドスタジオは時価総額が2兆ドルを超えているAppleとはApple TV+等ですでに競合しているが、Microsoftとも競合することになる。

 

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