世界各国のリアルタイムなデータ・インテリジェンスで皆様をお手伝い

詳細検索

お問合せ

03-3582-2531

電話お問合せもお気軽に

 

放送への競合はSVODではなく、AVOD/FAST

放送への競合はSVODではなく、AVOD/FAST

 

Netflix等のSVODサービスが放送の驚異であると言われてきた。だが、SVODはテレビ視聴時間を奪い、多チャンネルサービスのからの脱退を招いているが、放送の真の競合ではない。SVODはオンデマンド視聴であり、リニアでの配信はなく、ニュース、天気番組等を見る事は出来ない。さらに、SVODには広告が無いので、放送の収入は奪っていない。放送視聴は減っているが、放送広告市場は健在であった。

放送の若い人たちへのリーチが大きくと減っており、スポンサーは新たな媒体を求めてきが、デジタル広告では完全に放送広告をリプレース出来ず、また、YouTube等のユーザ投稿のコンテンツへの広告は炎上のリスクがあり、また、通常の放送広告は長すぎて使えない。これまでは、放送広告に代わる媒体が存在していなかった。

だが、コネクテッドTV(CTV)の普及がこれを変えた。より大きな画面でストリーミング・ビデオを見ることが増え、長く、質の良いコンテンツが求められる。それらコンテンツは既存の放送広告の媒体に適している。スポンサーはCTV向けに広告付きSVOD、それにあるいはAVODを使い始め、放送広告を脅かしている。CTV向けの広告規模は2021年で$110億になり、放送広告の5分の1に成長する。

AVODはオンデマンドであり、SVODと同様に放送とは異なる視聴であるが、リニア配信を行うFASTは真っ向から放送に競合する。FASTは無料であり、地上波と同じビジネスモデルであるが、数十から数百のチャンネルがあり、ニュース、スポーツ等の専門チャンネルもあり、地上波だけでなく、多チャンネルサービスの競合でもある。

コンテンツ事業者/テレビネットワークがAVOD/ FASTに投資することで、放送への驚異はさらに高まっている。ViacomCBSはFASTのPluto TVを2019年に$3.4億で、FoxはAVODサービスのTubiを2020年に$4.4億で買収している。ComcastのPeacockには無料版があり、FASTが含まれており、さらにFASTのXumoも2020年に買収している。コンテンツ事業者の投資により、AVOD/FASTのコンテンツの質は高まり、利用者はさらに増えている。

Rokuが発表した報告書によると、AVODを利用している人の33%は多チャンネルサービスを脱退したコードカッターである。これに対して、AVODは利用しないでSVODだけのストリーミング・ビデオ利用者におけるコードカッターの率は21%である。SVODだけの利用者は放送とストリーミングを併用しているのに対して、AVOD利用者は放送のリプレースメントとしてストリーミングを利用している。

また、放送を見ていない分、AVODの利用者はストリーミングビデオの視聴時間も長い。AVOD利用者の内、週に20時間以上ストリーミングビデオを見ている人は41%であるのに対して、SVODだけの利用者では31%である。AVOD/FASTは放送に代わるサービスとして、視聴者と広告収入の両方を奪い始めている。

 

 

 

 

ページTOPに戻る