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Disney+はNetflixを追い抜けるか

Disney+Netflixを追い抜けるか

 

Disney+は急速な成長をしている。Walt Disney社の前四半期締めの1月2日時点での加入者は9490万人で、Netflixの2.04億人の半分近くになっている。Netflixの加入者が9436万人になったのは2017年Q1であった。Netflixがストリーミングサービスを開始したのは2007年であるので、9500万人になるのに10年がかかった。これをDisney+は2年で成し遂げている。調査会社のDigital TV ResearchはDisney+は2026年には2.94億人になり、2.86億人のNetflixを抜き、世界最大のSVODサービスになると予測している。

 

Disney+の大成功の理由はそのブランド力とコンテンツもあるが、アグレッシブな値段も大きな要素である。Disney+の価格はアメリカでは$7(3月から$8に値上げ)であり、Verizonのモバイルサービスの無制限プランへの加入者は無料で加入出来る。さらにインドではDisneyがFox買収で得たSVODサービスのHotstarにDisney+のコンテンツも加えたDisney+ Hotstarを激安で提供している。最も安いプランだと、年$5.50(399 ルピー)である。Disney+の加入者の3分の1はDisney+ Hotstarと推定されており、急成長の理由の1つになっている。

 

だが、Disney+ Hotstarにより、Disney+のARPUは下がっている。サービスが開始した時点でのARPUは$5.56であったのが、前期では$4.03に落ちている。これに対して、NetflixのARPUは$10程度である。例え、Disney+が加入者数でNetflixを追い越すことが出来たとしても、このAPRUのままでは売上は2分の1でしかない。

 

しかし、Disney+の価格を大幅に上げることは出来ない。アメリカでのARPUを上げる戦略はDisney+の加入者に他のSVODサービスを売っていくことで、Disney+、Hulu、それにスポーツ専門のESPN+のパッケージを$13(3月から$14)で売っている。Disney+は$8、Huluは$6(広告付き)、ESPN+は$6だが、3つまとめれば、Netflixと同じ$14で加入出来、Netflixにはないスポーツが含まれる。このパッケージの加入者数は公開されていないが、HuluとESPN+の加入者はそれぞれ3940万人と1210万人になっている。

 

同じことを海外で展開することは出来ない。HuluにはNBC等、Disneyが海外での配信権を持たない番組が含まれており、ESPN+のスポーツの配信権はアメリカ国内に限定されている。海外では2月末からStarと呼ばれる新たな「チャンネル」をDisney+に加え、値上げをする。StarはABCを含む、Disney Television Studio、それにFoxから得たFX、20th Century Studio等のコンテンツで構成されている。Starが加わることで、Disney+は値上げになる。イギリスの場合、£2値上げで、料金は£8になる。ちなみに、Netflixのイギリスでの価格は£10である。

 

Starを追加することで、Disney+のARPUは増える。しかし、Netflixの半分近い値段と言うアドバンテージを失うことになる。これはこれからのDisney+の成長にどのような影響を与えるであろうか。

 

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