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Q3に多チャンネルサービス加入者が増加

Q3に多チャンネルサービス加入者が増加

 

COVID-19は様々な予測不可能な影響を与えている。減少を続けていた多チャンネルサービス加入者はQ3に増加をしたのもその1つである。外出の機会が減ったことで、SVODサービス加入者が大きくと増え、さらにRoku Channel、Tubi、Pluto TV等のAVODサービスの利用も進んだ。OTT視聴が増えただけでなく、失業率が高まり、世帯所得が減り、多チャンネルサービス加入者はQ3には大きな後退をすると予想された。

 

結果はまった違った。既存型の多チャンネルサービス(ケーブルTV、衛星、IPTV)への加入者は大手8社では106万世帯減った。しかし、これはQ2の147万世帯より少ない。多くの加入者を失い続けてきたAT&TのQ3のロスは60万世帯で、前年同期の117万世帯の約半分になっている。Charter CommunicationsはQ2に10万世帯を加えたのに続き、Q3も7万世帯を増やした。

 

OTTで多チャンネルサービスを提供しているvMVPDではHulu with Live TVが前期から70万世帯を増やし410万世帯となり、YouTube TV、Sling TVはそれぞれ20万世帯を追加し、300万世帯と246万世帯になった。AT&T TV Nowが4万世帯を失ったが主要6サービス合計で128万世帯を増やし、1150万世帯となった。主要8社の既存型多チャンネルサービスとトップ6のvMVPDの合計では23万世帯が増え、多チャンネルサービス加入者は8524万世帯になった。

 

なぜ、多チャンネルサービスが好調であったのか。接戦であった大統領選のおかげでニュースの需要が高かった事もあるが、最大の理由はスポーツの再開と思われる。スポーツのキャンセルは、大きな空虚を生み出した。調査会社のMagidが5月に行った調査では、50%以上の人が、スポーツが再開したらこれまで以上にスポーツ番組を見ると答えていた。そのとおり、6月のMLB再開の最初の試合の視聴者数は400万人で、オープニング試合としては2017年の370万人を抜き、記録を作った。

 

多チャンネルサービス加入者はスポーツが再開したことで、コードカッティングを保留し、すでにカットした人たちはスポーツを見るために長期契約無しのvMVPDに加入した。問題はこれが持続するかである。果たして、スポーツの中断により新たなスポーツファンが生まれたのであろうか。

 

残念ながら、にわかスポーツファンは長続きしないようである。スポーツ番組の視聴はMLBの再開で一時的に増えたが、9月のNFLのオープニング試合の視聴者数は2019年から8%のダウンであった。もとからスポーツを見ていなかった人たちも再開に喜び、数試合は見たが、新たなファンにが出来た訳ではない。スポーツ再開で、コードカッティングは一時的に止まったが、消えた訳ではない。多チャンネルサービスがQ4にも増加を続ける事は困難であろう。期待は選挙戦である。通常は投票結果が出た時点で、選挙関連のニュースは無くなるが、今年は大統領が結果を認めずにいることで、選挙関連ニュースが続いている。これはどの程度の影響を与えるであろうか。

 

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