WAN上のイーサネット

キャリアグレードのイーサネットは今日の企業WANに不可欠な要素であり、キャリアはネットワークのカバレッジを拡大し、より大容量のサービスを提供し続けています。

TeleGeographyの最新帯域幅価格レポート（同社のネットワーク価格データベースに基づく）では、WANにおけるイーサネットの役割について詳しく掘り下げ、地域や容量別の最近の価格動向を分析しています。特に、EoMPLS（イーサネット・オーバー・MPLS）とEoDWDM（イーサネット・オーバー・DWDM）に焦点を当てています。

より大容量のサービスには複数のオプションがありますが、貴社のWANに最適なものはどのように選択すればよいのでしょうか？

市場や接続環境が変化する中で考慮すべきことは数多くありますが、これらのサービスの基本は変わりません。DWDMは保護されていないパスであり、EoMPLSは擬似ワイヤとみなされ、メッシュにより冗長性が確保され、障害が発生した場合でもトラフィックを簡単に迂回させることができます。

冗長性と多様性という2つの言葉は、私たちが何度も耳にする言葉です。それでは、なぜこれほどまでに騒がれるのでしょうか？このトピックについてさらに詳しく知りたい方は、来週開催されるCapacity Europeのパネルディスカッション「海底ケーブルルート：なぜ多様化が必要なのか？」をお見逃しなく。

それまでは、当社の分析結果をご覧ください。

10ギガビットイーサネットの市場

10 Gbpsが必要になると、波長が自動的に思い浮かぶのは当然です。MPLSコアバックボーンの規模が拡大するにつれ、より多くの通信事業者が大容量サービスを提供しています。

10ギガビットイーサネットEoMPLSの最も一般的な使用例はデータセンター間の接続ですが、データセンターと災害復旧センター間の接続にも有益です。10ギガビットイーサネットのEoDWDMとEoMPLSのどちらにするかを決定する際には、価格以外にも考慮すべき重要な要素があります。

10ギガビットイーサネット（10 GigE）のEoDWDMとEoMPLSのどちらかを選択する際には、価格以外の重要な要素を考慮する必要があります。

DWDM接続は、顧客のスイッチまたはルーターへのイーサネットインターフェースを備えた光波長で提供されます。 イーサネットをDWDM上で利用するには、ローカルループからDWDMへの変換が必要であるため、イーサネットのハンドオフが可能になることに留意することが重要です。

EoMPLSとは対照的に、顧客が保護用に2つの異なるDWDMパスを選択する場合には、フェイルオーバーの管理、つまり信頼性の高いバックアップシステムに自動的かつシームレスに切り替える機能も必要となります。 結局のところ、この観点から、非管理型波長がより高い容量をより低価格で提供できる理由、および管理および保護されたEoMPLSサービスがプレミアム価格で提供されることが多い理由を説明することができます。

保護機能が優先事項でない場合は、データセンター間でイーサネットと単一波長を併用することも可能です。以下の図では、主要な国際ルートにおける10 Gbpsレベルでの無防備なDWDMとEoMPLSの価格を比較しています。

主要な国際ルートにおける10 Gbps DWDMと10 GigE EoMPLSの月額価格の中央値

注：各濃い青色の列は、リストされたルートにおける非保護10 Gbps波長用の加重中央値月額リース価格を表し、各水色の列は10 GigE EoMPLSの中央値月額リース価格を表します。価格は米ドルで、ローカルアクセスおよび設置費用は含まれていません。データは2024年第2四半期時点のものです。10ギガビットイーサネット（10 GigE）= 10,000 Mbps。出典：© 2024 TeleGeography

7つのルートすべてにおいて、EoMPLSはDWDMよりも割高となっており、ロンドン-ニューヨーク間では19%、香港-シンガポール間では64%となっています。この数値は中央値を表しており、すべての報告キャリアが各ルートで両方のサービスを提供しているわけではないことにご注意ください。

これらのルートで両方のサービスを提供しているキャリアの価格を比較すると、EoMPLSはほとんどのケースで無防備なEoDWDMよりも割高でしたが、例外的なケースもありました。一部のキャリアでは、マルセイユ-シンガポール間のDWDMの5.4倍、ロサンゼルス-東京間のDWDMの3.6倍という高い価格設定となっている。EoMPLSのキャリア割引の例としては、ロンドン-ニューヨーク間で48%、ロサンゼルス-ニューヨーク間で30%となっている。

無防備なDWDMとEoMPLSを比較するのは、リンゴとオレンジを比較するようなものです。DWDMがEoMPLSと同等の冗長性とサービス品質を実現するには、障害発生時に備えて2つの別々の波長と多様なルーティングが必要となります。そのため、SLAを必要とする顧客にとっては、これらのルートにおけるEoMPLSの平均的な割増料金43%は妥当なものです。これらのDWDMの中央値に冗長性のために1.6を掛けると、香港-シンガポールを除くすべてのルートにおいて、EoMPLSは4,142ドルとよりコスト効率が良くなります。

EoMPLSの高容量の価格設定は様々であり、まだ結論が出ていませんが、いくつかの傾向が現れています。

執筆者：Stacey Parker (Telegeography社）

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