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Venue Sportsの次の動き

Venue Sportsの次の動き

Disney、Warner Brothers Discovery(WBD)、それにFoxの3社は地上波と多チャンネル向けネットワークで放送しているNFL、MLB等の試合をストリーミングでも提供するためにジョイント・ベンチャーのVenue Sportsを設立した。Venue Sportsは2024年にサービスを開始する予定であったが、vMVPDのFuboTVが独占禁止法違反の訴訟を起こした。判事はこのジョイントベンチャーは違法の可能性があるとの理由で、サービス開始の差止めの仮処分をし、サービス開始は延期になっている。

スポーツは地上波以外ではDisneyのESPN、WBDのTBS、Fox Sports等の多チャンネル向けネットワークで放送されているが、多チャンネルサービス事業はスポーツ専門のパッケージを提供することは出来ない。多チャンネル向けネットワークは個別契約することは出来なく、バンドル契約である。ESPNだけの再送信契約は出来なく、その他のDisneyのチャンネルも一緒に契約する必要がある。Venue Sportsだけがその権利を得られるのは独占禁止法に触れるとい言うのがFuboTVの主張である。

FuboTVの訴えは同業者のDirecTV等のサポートがある以外、司法省、それにカリフォルニア、ニューヨーク、イリノイ等の16州がFuboの訴えを支持するアミカスブリーフを法廷に提出している。法廷はDisney等の3社による訴訟破棄を求める訴えを拒否し、裁判は来年10月に始まることが決まった。来年秋にサービス開始の可能性も消え失せえ、来年に3社が勝訴しても、控訴になり、決着が付くまでに時間がかかる。

これは、急速な変化をしている放送業界では敗訴と同じである。現状維持で、スポーツは多チャンネル向けネットワークに頼っていたのでは視聴者は減っていくだけであり、契約しているリーグ側からのプレッシャーも増えていく。試合をストリーミングでも配信するためには3社はFuboTVと和解する必要がある。FuboTV、その他の多チャンネルサービス事業者もスポーツチャンネルだけの契約を可能にすることで和解出来るであろう。

問題はこの和解が多チャンネルサービスの終わりを早めることである。多くの人達はスポーツを見るために、多チャンネルサービスに加入し続けている。地上波と数個のスポーツチャンネルのために、190以上のチャンネルがあるサービスに$150以上を毎月支払っている。スポーツだけのパッケージがあれば、それに加入し、他の多チャンネル向けネットワークは不要になる。TVネットワーク会社は多チャンネル向けネットワークを手放す準備をしているが、今すぐに切り離すことは出来ない。多チャンネル向けネットワークはまだ黒字であるが、ストリーミングサービスは赤字、あるいは黒字になったばかりである。今、手放したのでは会社の経理状況に悪い。

ストリーミングサービスの収益状況を見ながら、適切なタイミングで多チャンネル向けネットワーク事業を手放す必要がある。しかし、スポーツだけのパッケージを可能にした時点で、その他の多チャンネル向けネットワークの価値は暴落し、手放しづらくなる。和解をするにしても、今すぐは損であり、早くても裁判が始める時まで待つであろう。

 

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