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利用されている動画サービス数が減る

利用されている動画サービス数が減る

TiVoが定期的に発表しているVideo Trend Reportによると、テレビ視聴者が利用している動画サービス(多チャンネルサービス、SVOD、無料サービスを含む)の数は2016年では4つであった。多チャンネルサービスに加え、YouTube、それにNetflix、Hulu、Amazon Prime Videoのいずれか2つが当時の標準であろう。その後、サービス数は緩やかに増えていき、2020年には7つになる。それが、2022年Q4には11.5個にジャンプするが、最新の2024年Q2データでは9.1個に減っている。

利用しているサービス数が急激に増えたのには3つの理由がある。1つは2021年末からDisney+、Max等のTVネットワークのSVODサービスが相次ぎとローンチしたからだ。加入者を得るために価格は安く設定されており、視聴者は新しいサービスが始まると契約した。2つ目はParamount GlobalのPluto TV、FoxのTubi等のAVOD/FASTの登場である。以前から無料のAVODサービスはあったが、コンテンツは古く、魅力はなかった。大手コンテンツ事業者の参入により魅力あるコンテンツが加わり、無料サービスの利用も急速に増えた。

3つ目はパンデミックの影響である。Covid-19により、娯楽のチョイスが減り、テレビが最大の娯楽になる。視聴時間も増え、消費者はそれまで使っていた娯楽予算を使い、数多くのSVODに加入することが出来た。3つの要因が重なった、パーフェクト・ストームであった。

パンデミックが過ぎた後も利用するサービスの数は減らなかった。しかし、他の娯楽への出費は増えている。さらに、黒字化のためにSVODサービスが値上がりし、同じ数のサービスに加入することは出来なくなっている。広告無しで$6.99の価格でスタートしたDisney+の現在の価格は$15.99で2倍以上になり、広告付きでも$9.99になっている。TiVo Video Trend Reportによると、多チャンネルサービスに加入していない人が動画サービスに使う金額は1年前の$64.86から$65.16に増えている。しかし、価格が上昇しているので、利用しているサービスの数は減らしていることになる。

多チャンネルサービス加入者の動画サービスへの出費はさらに大きい。彼らはすでに$120程度を多チャンネルサービスに使い、さらにSVODにも加入している。多チャンネルサービス加入者の動画サービスへの出費は2022年Q2の$178.13から2023年には$208.54に増えた。$120を多チャンネルサービスに使っているとすると、$90近くをSVODに使っていたことになる。しかし、2024年には$178.06に減っている。多チャンネルサービスも値上げしており、出費の限度に達している。

 

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