チャットボットベンダーを評価するための有用なフレームワークとして、10項目のAI機能を紹介 ―
最新技術のM&A・投資情報を提供する市場調査会社デイブレイク・インサイトは、インタビューや製品の実地体験など、新興のAIチャットボット・ベンダーを徹底的に調査した結果、市場の現状と展望に関する包括的なレポート「AIチャットボット・新興ベンダー・レポート 2023」を発表しました。当レポートからチャットボットベンダーを評価するための有用なフレームワークとして、10項目のAI機能を紹介します。
チャットボットベンダーの評価のためのTop10 AI機能:
10のAI機能の完全な定義は以下。
1)ドキュメントの解析:
企業ユーザーがドキュメント(テキスト、PDF、CSV、DOCなど)またはwebサイトをデータソースとしてアップロードすると、AIが自動的かつ瞬時に解析・理解し、顧客の質問に答えるための関連情報を抽出します。
2)インテント・マッチング:
企業ユーザーは、インテントごとに複数の発話(例文)を持つ様々なインテントを定義し、作成することができます。その後、AIを使用して顧客入力がインテントのいずれかの発話にどれだけ類似しているかを検出します。顧客の入力が発話と十分に類似している場合、その発話のインテントがトリガーされ、顧客をインテントのフローに導きます。
3)発話スコアリング:
AI を使用して企業ユーザーが作成した、すべての定義済みインテントの各発言にスコアを割り当てます。このスコアは、発話がどれだけインテントに近いか、また他のインテントの発話と比較してどれだけユニークであるかに基づいています。インテントに密接に一致し、他の発話と区別される発話は、高いスコアを得ます。
4)一致しきい(閾)値の設定:
顧客入力がインテントの発話と一致すると、それらの類似度がAIによって計算され、一致スコアになります。この機能により、企業ユーザーはそのマッチスコアを確認し、顧客入力がインテントをトリガーするのに十分類似していると判断される閾値を調整することができます。一致しきい値を低くすると、インテントの発話との類似性が低い入力もインテントをトリガーすることになり、しきい値を高くすると、発話との類似性が高い入力のみがインテントをトリガーすることになります。
5)一致しない入力のトレーニング:
企業ユーザーはインテントの発話との類似性がないため、事前に定義されたインテントに一致しなかったすべての顧客入力を見ることができます。これらの不一致の入力は、AI によって適切な事前定義されたインテントと照合されます。 ユーザーは、これらの入力をインテントの発話に追加するか、新しいインテントを作成して発話に追加することで、入力をトレーニングできます。
6)応答生成:
チャットボットをカスタマイズし、AIを使って顧客の質問やリクエストに自動的に応答できるようになります。チャットボットの応答、性格、言語は、自然言語のプロンプトを使用してユーザーが定義します。(「顧客に旅行のヒントをフランス語で伝えます。」 「あなたは質問にできるだけ丁寧に答えてくれる、親切なアシスタントです。」)
7)バリエーション生成:
AIを活用して企業ユーザーがチャットボットを構築する際に、作成したデータのさまざまなバリエーションを自動的に生成します。バリエーションは、各インテントの発話、特定のトピックのエンティティ、顧客の入力に対する応答について生成することができます。
8)ガードレール設定:
企業ユーザーは、チャットボットが顧客のリクエストに答えるために使用する、独自またはサードパーティのLLMのガードレールを設定し、制御することができます。ユーザーは、AIモデルの温度を手動で調整することができ、ユーザーのプロンプトに基づく応答のばらつきを決定します。温度が低いほど、AIのガードレールは厳しく設定され、チャットボットからの応答はより正確になります。
9)文脈の記憶:
チャットボットは顧客の身元、以前のメッセージ、過去のやり取りを記憶することができます。この機能は、AIが各顧客に対してチャットボットの応答をパーソナライズしたり、回答がすでに記録されている場合は特定の質問をスキップしたり、範囲外の質問によって会話の流れが中断された後に顧客を軌道に戻すために使用されます。
10)感情分析:
チャットボットが顧客の入力の感情的な内容を検出し、AIを使用して適切かつ共感的に応答することができます。例えば、顧客が個人的な嬉しい出来事について話した場合、チャットボットはお祝いの言葉を返します。顧客が個人的な悲劇のニュースを共有した場合、チャットボットは同情をもって対応するでしょう。また顧客があからさまに否定的な感情を示した場合は、より実践的なサポートのために人間のエージェントに会話を引き継ぐでしょう。
以上、チャットボット・ベンダーの主要なAI機能を10個紹介することで、それぞれの機能を評価し、自社に最適なものを選択することができます。これらのAI機能は、顧客満足度を高め、生産性を向上させ、企業の売上を押し上げる可能性を秘めています。
当該レポートの詳細
Emerging AI Chatbot Vendors Report/Daybreak Insights/調査レポート (dri.co.jp)
記事出典元:Daybreakinsights
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