AmazonがNFLの木曜試合の独占権を得る
National Football League(NFL)の試合の放送/配信契約は2022年シーズンで切れる。NFLは2023年シーズンからの11年間の契約を4大ネットワーク、それにAmazonと結んだ。契約総額は$1100億であり、1年では$100億となり、現在の契約額から倍増してる。現在の契約との大きな差はAmazonが加わったことと、各ネットワーク共にOTTサービスでの配信権も加えたことである。
Amazonは2017年からNFLの木曜日の試合を配信してきた。木曜の試合の放送権はFoxが持ち、Amazonが行っていたのはその中継の再配信であり、独占配信ではなかった。Amazonとの契約は2022年からで、木曜の試合の独占権を得る。試合はAmazon Prime Videoで配信される。NFL Networkが多チャンネルでも放送するが、地上波での放送は無くなる。
これまで、NFLとの放送契約をしてきたテレビネットワークもNFLとの契約を更新したが、テレビでの放送権だけでなく、OTTサービスでの配信権も加えている。ViacomCBSは地上波のCBSで日曜午後のAmerican Football Conference(AFC)の試合を放送するのに加え、SVODサービスのParamount+でも配信する。CBSはNFLの最も古い放送パートナーで、1956年から契約をしている。
FoxはNational Football Conferenceの日曜の午後の放送権を更新したのに加え、そのSVODサービスのTubiでライブ配信をする権利を得た。同様に、日曜の夜の試合の放送権を持つNBCUniversalはそのOTTサービスのPeacockで試合を同時配信する権利も加えた。
Walt Disneyはこれまで月曜日の試合をスポーツ専門の多チャンネル向けネットワークのESPNで放送してきた。Disneyは月曜の試合をESPNで放送するだけでなく、一部の試合は地上波のABCでも放送する権利、それにOTTサービスのESPN+でも配信する権利を得た。これにより、ESPN+に加入すれば、月曜のNFLの試合を見るために多チャンネルサービスに加入する必要はなくなる。ESPN+はまた、NFLの海外での試合(International Series)を年に1回、独占配信する。
スーパーボウルはこれまでCBS、Fox、NBCの3ネットワークが持ち回りで放送してきたが、2023年からの契約にはローテーションにABCも加わわる。各ネットワークは スーパーボウルもOTTサービスでも同時配信する。
今年のスーパーボウルの視聴者は9640万人で、前年からは5.5%の減少であった。スーパーボウルの視聴者は減っており、ピークの2015年の1.14億人からは16%も落ちている。OTTでの配信が加わることで、NFLの視聴者は増え始めるであろうか。
NFL試合の放送権利と金額
試合 |
既存放送者 |
年間額 |
新放送者 |
新契約額 |
月曜 | ESPN | $19億 |
ESPN、ABC、ESPN+ |
$27億 |
日曜午後NFC |
Fox |
$11億 |
Fox、Tubi |
$23億 |
日曜午後AFC | CBS | $10億 | CBS、Paramount+ |
$21億 |
日曜夜 | NBC | $9.5億 | NBC、Peacock |
$22億 |
木曜 |
Fox、NFL Network、Amazon |
$7.6億 |
Amazon、NFL Network |
$10億 |