2014/11/26
Tractica 創業者・マーケティング部長 Clint Wheelock氏 インタビュー |
ユーザーインターフェースやヒューマンマシンを対象分野とする米国の調査会社Tracticaを立ち上げたClint Wheelock氏。来年からの調査レポート出版のため、準備中です。今回は、日本や韓国などの市場への宣伝のため来日し、弊社を訪問しました。新会社の方向性とその意気込みを伺いました。 |
お話いただいた方 | Tractica 創業者 Clint Wheelock氏 |
質問者 | 株式会社データリソース 栗原 |
インタビュー日時 | 2014年11月13日 |
場所 | データリソース(東京都港区赤坂一丁目) |
Clint Wheelock氏について Clint Wheelock氏は、Qwest Communicationsで上級製品管理、Verizon Communicationsで戦略マーケティング部門に勤務。数社の市場調査会社でアナリストを務めたのち、Pike Research(現ナビガントリサーチ - Navigant Research)を設立。クリーン技術市場に関する調査レポートとコンサルティング事業で成功をおさめた。 2014年にTracticaを設立。 |
データリソース(以下、DRI): Tracticaの対象市場を教えてください。 Clint Wheelock氏(以下、Clint): ユーザインターフェースに関連する市場を広くカバーしています。ヒューマンインターアクション、ボディセンサ、ウェアラブル技術、ユーザーエクスペリエンス関連、電子医療、拡張現実、モバイルデバイス対応技術、コンシューマロボットなどです。 DRI: コンシューマロボットとは? Clint: ルンバなどの家庭用ロボット掃除機や教育用機器、医療や介護用などが含まれています。 DRI: これまでの専門分野は通信とクリーンエネルギー分野でしたが、ユーザーインターフェースという分野を新会社の調査対象分野に定めた経緯を教えてください。 Clint: ユーザーインターフェースは、これまでの活動と全く関係ない分野ではなく、むしろ通信市場と密接に関係している市場です。通信会社や調査会社に勤務していた頃、Telco Videoに関連した活動の中から、リモコンのユーザビリティテストやデザイン、ヒューマンマシンに興味を持つようになり、そこからユーザーインターフェースへと関心がつながっていきました。 今から12年前、当時アナリストとして所属していた調査会社で、ヒューマンマシンについての調査・出版事業を社内で提案したことがありましたが、まだ初期の段階だったため、その時は採用されませんでした。 しかもこの分野は、ITやエネルギーなどこれまで馴染みのあった業界の他、自動車や製造、医療など、様々な業界が絡んでいることも魅力だと思っています。 DRI: 社名のTracticaにはどういう意味が込められていますか? Clint: Tracking Study(追跡調査)から思い浮かんだ言葉です。6-7年前、Pike Researchの社長を務めていた頃から温めていた社名です。 DRI: Tracticaの現在の従業員数を教えてください。 Clint: 来年より開始する調査レポートの出版に向けて、現在6名のアナリストが活動しています。その中には、ウェアラブル技術の専門家も含まれています。企業データの収集などを行うアナリストが続々と入社予定です。(2014年11月13日時点) DRI: 調査レポートの出版は2015年からとのことですが、ユーザインタフェースに関するカスタム調査には対応可能な状態ですか? Clint: もちろんです。現在、ニューヨークの金融関連の企業からの依頼でコンサルティングサービスを提供中です。 DRI: データリソースでもTracticaの紹介をしていきます。プレスリリースやコラムなど、データリソースのウェブサイトにも積極的に掲載していきたいと思います。 Clint: 完成間近のプレスリリースもあるので、出来次第送ります。 DRI: 今日はありがとうございました。 Clint: Thank you. |
インタビューを終えて 前日東京に到着し、翌日にはソウルに向けて飛び立つというハードなスケジュールの中で、穏やかながらも、新しいビジネスについて丁寧に話していただきました。 携帯電話やセンサ、健康機器、医療サービスなど、十数年前であれば、一般消費者には何の繋がりも見えなかったものたちが、技術の進歩によって統合され続けています。Wheelock氏は、一部の技術や製品市場を除き、未成熟ながらも急速な発展を見せるヒューマンマシンやインターフェース技術市場の今後の大きな将来性に着目しています。短い時間ではありましたが、このインタビューは、ヒューマンマシンという言葉をとても身近に感じる機会となりました。 Tracticaは設立したばかりでまだ小規模ですが、Wheelock氏のこれまでの経験と人脈をベースに、充実した調査レポートとサービスの提供を開始しようとしています。今後の関連市場の動きを世界に発信する重要な役割を担う調査会社となることを期待しています。 2015年から始まるTracticaの調査レポート出版に先立ち、データリソースのウェブサイトでは、2014年12月よりTracticaの事業内容を随時追加紹介していきます。(栗原) |