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DRI テレコムウォッチャー  from USA


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      NSI Research社の デジタル放送とブロードバンドTVの情報サービス      
  年間情報サービス「The Compass」 と 「The Compass」年鑑レポート
 放送/メディア会社、通信事業者・機器ベンダを対象としています。


多チャンネルサービス加入者が200万以上減る
 (ブロードキャスティングレビューシリーズ No.192)
2020年5月25日号

2020年Q1に多チャンネルサービスはビジネス向けを含めて、過去最大の200万件以上を失った。トップ8事業者(AT&T、Comcast、Charter、Dish、Cox、Verizon、Altice USA、それにMediacom)の加入者合計は7931万で、前期から218万件減っている。8社で市場全体の約95%を占めている。

ロスが最も多かったのはAT&Tで市場全体の半分に近い104万件を失った。AT&Tには4つの多チャンネルサービスがある。最も加入者が多いのは2015年に買収したDirecTVである。同サービスの加入者数は2017年Q1で2506万件であったのが、1857万件へと、2年で649万件も失っている。IPTVのU-verse TVは300万程度の加入者があるが、販売は中止になっている。

3つ目のサービスはOTTベースの多チャンネルサービス(vMVPD)のAT&T TV Nowで、2018年Q3がピークで186万の加入者があったが、半分以下の79万件に減っている。4つ目は2月にスタートしたAT&T TVで、AT&T TV Nowと同様にインターネットでの配信だが、専用のSTBを必要とし、料金はDirecTVと同様で、2年契約がある。AT&T TVの加入者はまだ数十万件である。

2番めに大きなロスがあったのはトップのComcastで、42万件を失い、加入者数は2084万になっている。Charterは7万件を失っただけで、加入者は1607万になった。Dishの衛星サービスの減少も13万と低めであったが、vMVPDのSling TVが28万件を失い、損失の合計は41万件なり、加入者は1132万となった。

Q1で目立ったことはvMVPDの不振で、AT&T TV NowとSling TVが合計で43万件を失っている。vMVPDでは最大のHulu with Live TVは加入者を増やしたが、10万件だけで、Q1での加入者数は330万であった。第2位のYouTube TVは今期の加入者数を発表していない。YouTube TVが検討した可能性もあるが、それでもvMVPDの増加は数十万であろう。

vMVPDの不振はCovid-19の影響をいち早く受けたと思われる。ロックダウンにより収入を失った人が最初に切るのは多チャンネルサービスであろう。特に加入している目的がスポーツの視聴であれば、無意味である。vMVPDは既存の多チャンネルと違い、契約縛りは無く、STBの返却の必要も無く、解約が簡単である。

Covid-19の影響が長引くと、既存多チャンネルサービスの解約も加速するであろう。重要になるのが、スポーツの再開である。現在、中止中のスポーツが夏になっても再開出来ず、さらに8月開始予定のNFLの開幕も延期になった場合、スポーツファンは多チャンネルサービスに加入している必要性を失い、解約が殺到するであろう。




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