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  年間情報サービス「The Compass」 と 「The Compass」年鑑レポート
 放送/メディア会社、通信事業者・機器ベンダを対象としています。


COVID-19は放送よりOTT視聴を増やすか
 (ブロードキャスティングレビューシリーズ No.190)
2020年3月20日号

 シリコンバレー周辺の地域は3月17日から、4月7日まではシャットダウン状態にある。必要以外の外出は禁止であり、学校、それに生活に必要なビジネス以外はすべて閉じている。これほど過激ではないが、他の地域でも外出に対する制限が出来始め、家にいる時間が増えている。当然、テレビの視聴時間は増える。Nielsenの統計では2017年にテキサスを襲ったハリケーン・ハービーの上陸前後の4週間でヒューストンにおけるTV視聴は通常よりも56%増えた。

 Nielsen はCOVID-19により家庭におけるメディア視聴時間は60%以上増えると予想している。では、放送とOTTビデオではどちらの視聴が多く増えるであろうか。緊急時にはニュースの視聴が増える。OTTでのニュースもあるが、ニュースの視聴は放送が多い。最も視聴率の高い多チャンネル向けネットワークはFox Newsである。しかし、家にいる時間が長くなると、ニュース以外の番組も視聴も増える。しかし、CODIV-19によりスポーツ試合はすべて延期になっており、試合中継はなくなっている。

 さらに、トークショーとリアリティーの番組の一部はキャンセルされており、制作が停止にになったドラマもある。この状態が長く続くと、ニュース以外の新しい放送コンテンツが枯れ、再放送ばかりになってしまう可能性がある。番組の制作が出来ないのはNetflix等も同じだが、オンデマンドであれば、見た番組は避ける事が出来、必要であれば、見ていないコンテンツのある新たなサービスに加入することも出来る。CivicScienceが2045人を対象に行なった調査では9%が過去2週間にCOVID-19の影響で新しいSVODサービスに加入したと答え、5%は加入する予定だと答えている。

 増えているのはSVODの利用だけでなく、AVODも増えている。オンラインビデオ向けの広告プラットフォームのSpotXはこの数週間でオンラインビデオの視聴が大きく増え、広告量が16%増えたと発表している。問題はOTTビデオの増加にブロードバンド回線が耐えることが出来るかである。

 OpenVaultによると、多くの学校が閉鎖され、ビジネスも在宅勤務を始めた3月10日の家庭での平均ダウンロード量は5.16GBで、それ以前の平均利用量から2倍に増えている。データ量の増加はOTTビデオの視聴が増えたからだけでなく、ビデオコンファレンスの利用の増加もあり、上り方向も68%増えている。

 欧州ではブロードバンドの利用が増えることで、ネットワークがパンクする事が懸念されており、Netflix等に対して画質をSDレベルに落とすことを求めた。配信をSDに落としても、回線容量が足らなくなると、画質が衰える、中断する等の可能性がある。そうなるOTTビデオに対する不満が増え、安定したクオリティーの放送に戻ってくる可能性もあるだろう。




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