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Disney+が好調にスタート
 (ブロードキャスティングレビューシリーズ No.186)
2019年11月25日号

 DisneyのSVODサービスのDisney+が11月12日にアメリカ、カナダ、オランダでスタートした。料金は$7で、Netflixの$13より安く、さらに、Disney+、Hulu、それにスポーツ専門のESPN+の3つのサービスのパッケージが$13で提供されている。ライブラリーの規模はNetflixと比べると小さいが、Star Wars、Marvelシリーズを含めたコンテンツは魅力的であり、前評判は高かった。

 Amazonとのコミッション上の問題からFire TVとFire Table向けのアプリが間に合わない可能性があったが、無事に開始の1週間前に合意に達した。Fire TVはRokuに続く、ストリーミング・プレーヤであり、Fire Tableは子供向けに売れており、Disney+のスタートにこれらのアプリは重要であった。サーバーの問題もあったが、さすがDisneyであり、スタートから24時間で1000万人の登録があった。

 最初の1週間は無料であるのでサービスを継続する人はこれより少なくなるであろうが、驚異的なペースのスタートとなった。Huluが1000万人に達するのに10年かかっている。Netflixは郵便を使ったDVDのレンタルで1997年に始まり、加入者が1000万を超えたのは11年後の2009年での事であり、記録破りの出だしである。20日にはオーストラリア、ニュージーランド、プエルトリコでのサービスが始まり、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペインでは来年の3月31日の開始になる。

 Disney+が発表されてからスタートまでに1年以上かかった理由は、Netflixを含め、様々な配信事業者との契約が切れるのを待たなければならなかったためであり、まだ、全ての契約が終了している訳ではない。例えば、有料チャンネルのStarzはまだいくつかのDisney映画の独占配信権を持っており、DisneyはDisney+とESPN+への新規登録の画面にStarzの広告を挿入することで配信権を得ている。また、Netflixとの契約もすべて完了していなく、2016年から2018年のいくつかの映画は10年後にNetflixが独占配信する契約がまだ残っている。

 Disney+のライブラリーはDisney、Pixar、Lucusfilm、Marvel Studio、それにNational Geographicのコンテンツが主体である。ABC、それにFoxから買収した、20th Century Fox、FX等のコンテンツはHuluが配信する。Disney+のコンテンツには既存の映画、TV番組だけでなく、オリジナルも含まれ、開始時点で2つの映画、2つのドラマ番組、4つのノンフィクション番組、4つのショートシリーズがオリジナルコンテンツとして公開された。シリーズ物はNetflixのように一度に全話を配信するのではなく、通常のTV番組のように週1話のペースでの配信で、どの番組も金曜日がリリース日になる。

 Disney+は家族向けのコンテンツ専門であり、それだけでは広いジャンルをカバーするNetflixの競合にはならない。Netflixとの競争するにはHuluと一緒にパッケージ化する必要性がある。Huluは現シーズンのTV番組の配信が主体であったので、海外では提供されていなかったが、Netflixとの競争のためにはHuluの国際展開が不可欠になっている。Huluもオリジナルが増えており、さらにFoxの映画、FXのTV番組が加わることで、独占配信可能なコンテンツが増え、海外での提供が可能になっている。Disneyは来年にDisney+を世界でスタートさせるだけでなく、Huluの海外進出も開始する予定であり、Netflixとの競争が始まる。




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