| 4大ネットワーク入りしたNetflix (ブロードキャスティングレビューシリーズ No.158) |
2017年7月25日号
Netflixの第2四半期の成長は予想以上のものであった。無料を含めた加入者数は、世界で1億人を超えた。さらにSolutions Research Groupの調査ではアメリカの欠かすことの出来ないテレビチャンネルとして、Foxを蹴落として4大ネットワーク入りをした。
Netflixの第2四半期の加入者増加数は目標の320万人を大きく超え、試し期間中の無料加入者を含めて520万人、含めなくても467万人であった。この成長により有料加入者数は9904万人となり、第3四半期に1億人を超える事は確実になった。無料加入者を含めるとすでに1.04億人になっている。
第2四半期に増えた有料加入者中、アメリカ国内は94万人であるのに対し、海外はその4倍の373万人であった。アメリカ国内の成長率が安定化し始めている時に、ちょうど海外での成長が活発になっており、Netflixの世界市場参入のタイミングは最高であった。第2四半期末で、国内の有料加入者数は5192万人、海外は4871万人で、第3四半期には海外加入者数が過半数を超える事になる。無料加入者を含めると、海外が5203万人、国内が5192万人で、すでに海外加入者が50%を超えている。
今年の始めの予想では海外の加入者が50%を超えるのは第4四半期であり、海外加入者の成長は予想以上になっている。しかし、国内での成長が特に鈍い訳では無い。無料加入者を加えた国内の増加は110万人で、昨年同期の20万を大きく上回った。第1四半期は昨年が220万人、今年は140万であったが、前半6ヶ月間合計では2016年が240万人、今年は250万人でほぼ同じである。
1世帯、1加入者とするとアメリカにおけるNetflix加入率は全世帯の41%を超えており、そのブランド力も高まっている。調査会社のSolutions Research Groupは過去10年間、「Must Keep TV」と言う欠かす事の出来ないテレビチャンネルをインタビュー調査し、そのランキングを発表してきた。今年から「チャンネル」として、Netflix、Amazon Prime Video、それにHuluが加わり、Netflixは4位に入った。
1位から3位までは昨年も今年も、ABC、CBS、NBCの3大ネットワークである。昨年の4位はFoxであったが、Amazonが調査対象に加わった事で5位に落ちた。この調査では、4大ネットワークとはABC、CBS、NBCとNetflixと言う事になる。Netflixは有料チャンネルのHBOの競合して比較される事が多いが、この調査ではHBOは7位であり、Netflixの競合は3大ネットワークと言う事になる。
SVODとしては2番手のAmazon Prime Videoは14位であった。ニュース専門チャンネルのCNNとホームリモデルのHome and Garden TVの間である。Amazonのオリジナル番組も成功しているが、Netflixのレベルに達していないので、妥当であろう。Huluは22位であった。
来年のMust Keep TVの結果はどうであろう。Amazonは勢いがあり、地上波ネットワークとしては5つ目のCWを脅かすであろう。NetflixはNBCを蹴り落とし、3大ネットワーク入りが出来るであろうか。
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