| Amazon Echo の大ヒット (ブロードキャスティングレビューシリーズ No.156) |
2017年5月20日号
Amazon Echoが2015年6月に発売になった時点で、Echo、そしてスマート・スピーカ市場がこれほどのヒットになると予期した人は少ないであろう。しかし、Echoは2016年後半に突如ブレイクし、クリスマス時期には売り切れになった。調査会社のParks Associatesによるとスマート・スピーカー製品はアメリカのブロードバンド世帯の11%に普及しており、2017年には60%成長する。2015年末での普及率は1~2%であったので、2016年中の成長がいかに爆発的であったかが分かる。
Echoと2016年11月に発売になったGoogle Homeがスマート・スピーカの2大製品である。eMarker社によると、Amazon Echoが70.6%のシェアを持ち、Google Homeは23.8%のシェアがある。Lenovo、LG等の他のメーカーが残りの5.6%を分けている。Amazon Echoにはオリジナル($180)、Tap ($130)、それにDot($50)の3機種があり、Consumer Intelligence Research PartnerによるとDotが最も売れており、Echo機種では半分のシェアを持っている。
Echoの大成功はAmazonの電子製品メーカーとしての地位を高めることにも貢献している。AmazonにはKindle、Fire Tablet、それにFire TVがあり、どれも成功をしている。Amazonで売れている商品の統計をまとめているProfitero社によると、Amazonが販売している電子製品のトップ10の内、常にAmazon製品は7つ以上が入っており、2016年12月では電子製品のトップ10中、10製品ともAmazon製品であった。
2016年12月のAmazonでの電子製品売上トップ10 |
1. Echo Dot Black
2. Fire TV Stick
3. Echo Dot White
4. Echo Black
5. Fire Tablet 7” Black
| 6. Kindle Paper White 6”
7. Amazon Fire TV
8. Fire Tablet 7"Blue
9. Fire HD 8 Tablet
10. Echo White
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AmazonはEchoをベースにした新製品も発表している。先月にはEcho Look、今月はEcho Showを発表した。$200のEcho Lookはその名の様にカメラを搭載している。応用はファッションの自撮りで、服が目立つように背景をぼやかす様になっている。Style Checkと言うアプリを使う事で、機械学習と専門家の判断をベースにどの服装が良いかをリコメンドしてくれる。
$230のEcho Showは7インチのタッチスクリーンを内蔵しており、EchoとFire Tabletの融合の様な製品である。Alexaへの質問の答えを画面で見るだけでなく、音楽再生時には歌詞の表示、ストリーミングビデオの再生等が出来る。カメラも内蔵しており、Echo Show同士でビデオ電話をする事も可能である。Echo Look、Echo Show共にEcho がベースであるが、これまでのスマート・スピーカーのコンセプトを超えた製品である。
「音声アシスタント」関連の調査レポートは、こちらをご参照ください。
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