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  年間情報サービス「The Compass」 と 「The Compass」年鑑レポート
 放送/メディア会社、通信事業者・機器ベンダを対象としています。


減少する放送視聴時間の背景 (ブロードキャスティングレビューシリーズ No.143)
2016年4月15日号

 Nielsenによると2015年第4四半期の月間平均視聴時間(ライブ+タイムシフト)は147時間47分あった。視聴時間は3年連続で減っており、3年前の2012年第4四半期の156時間24分から8時間37分減った。3年間で5%の減少はそれほど大きくは無く、前年度期の147時間14分からの減少も少ない。しかし、状況が好転している訳ではない。

 問題は年齢別視聴時間を見ると明らかになる。2015年Q4の18歳から24歳の月間平均視聴時間は87時間10分で、3年間で24時間10分の減少があった。25歳から34歳は113時間45分で、3年間の減少は22時間25分であった。18歳から24歳では3年間で20%以上の減少があり、25歳から34歳でも視聴時間は16%減っている。

 これに対して、50歳から64歳の視聴時間は195時間37分で、3年前からの減少は2時間46分と少ない。65歳以上での視聴時間は3年前より8時間24分増え、229時間22分に達している。テレビは高年齢層が主体の「オールドメディア」になっている事が大きな問題であり、そのトレンドは変わっていない。

 18歳から34歳がテレビコンテンツ離れをしているのではない。この年齢層におけるSVODサービスの利用率は66%で、全体の50%程度より高い。放送の視聴時間が減っているのは、多チャネルサービスへの加入が減っている為である。この年齢層で、親と同居している人達における多チャネルサービスの利用率は88%である。親が加入しているサービスを使っているので、全年齢平均の86%とほぼ同じである。しかし、18歳から34歳の内で独立し、結婚している人達における多チャネルサービスの加入率は79%、独立し、独身の人達では72%と平均を大きくと下回っている。

 独立し、独身の18歳から34歳の人達の12%は多チャネルサービスに加入していないが、地上波を視聴しており、これは全年齢平均の11%と殆ど同じである。しかし、テレビ視聴にブロードバンドを使っている人達は16%で、平均の3%より遥かに高い。放送の利用者は84%でしかなく、16%はテレビはブロードバンドで見ており、放送視聴時間が少なくて当然である。

 以前はケーブルTVサービスに加入する事は水道、電気と共に当然であった。しかし、多チャネルサービスは高価になっている。さらに、ブロードバンド、あるいはモバイル通信等と他の必需性が高い物が登場した事で、多チャネルサービスは不可欠の物では無くなっている。

(図を拡大表示する)



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