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続々と4KのOTTサービスがスタート (ブロードキャスティングレビューシリーズ No.126)
2014年11月20日号

 2014年のCESでは数多くの4Kテレビ、それに4Kでの配信サービスの発表があった。4Kテレビに関しては、$1000を切る価格で話題になった低価格メーカーのVizioの製品を含め、出荷が開始されている。9月と10月に売れた60インチ以上のテレビでは、4Kが40%を占めているとの報告もある。しかし、4Kでのコンテンツ配信の殆どは発表だけで、サービスは開始されていなかった。来年1月のCESまでにサービスを開始しないと、目標が達成出来なかったことになり、サービス開始が相次いでいる。

 4Kでの配信サービスを真っ先に開始したのはNetflixである。NetflixはHouse of Cardのシーズン2等のオリジナルドラマを4Kで制作し、4月に配信を開始した。最近になり、オリジナル番組だけでなく、一部の映画も4Kで配信を始めているが、10月から4Kを別料金にした。既存の料金では4Kコンテンツへのアクセスは出来なくなり、4Kで見る為には通常より$3高い月額$12のサービスに加入しなければならない。

 Netflixに競合するAmazon Instant Videoもオリジナル番組を4Kで制作している。4Kでは配信はまだスタートしていないが、サービス開始間近と発表されている。Amazonはオリジナル番組以外に、映画、コンサート等も4Kで配信し、Netflixの様に追加料金は設定しないと語っている。Amazonは定額制のVODに加え、個別でのレンタルもしているが、レンタルでは4Kコンテンツは数ドル高価になる。

 レンタル型VODではスマートTV、Roku等のOTTデバイスを専門にしているM-Go(TechnicolorとDreamworksのジョイント・ベンチャー)が4K配信に一番乗りをした。同社は、SamsungのスマートTV向けに4KでのVODを開始した。料金は既存より$2程度高価に設定されている。

 4Kのサービスを約束していた多チャネルサービス事業者のDirecTVも、4KでのVODを11月初めに開始した。サービスはインターネットを使ったVODで行われているが、サービスを利用することの出来る世帯は、DirecTVの最新DVRのGenieとSamsungのスマートTVを持つ世帯に限られている。DirecTVは、他社のスマートTVもサポートしていくと語っている。衛星を使った4K放送の具体的な計画は発表されていないが、DirecTVは新しい衛星のDirecTV 14を12月に打ち上げ予定で、4K放送にはこの衛星が使われることになる。4K放送の開始は早くても、2015年末になると推測されている

 ケーブルTV事業者のComcastも、CESで4KでのVODを提供することを発表した会社の1つだが、サービスはまだ開始されていない。同社もDirecTVのようにインターネットを使い、Samsung等のスマートTVを対象にサービスを開始する予定だ。既存のSTBはHEVCに対応をしていないので、STBを使ってのサービス提供はまだ先のことである。ComcastはそのX1サービス向けの新しいSTBのXG2の開発を行っているが、このXG2がHEVC対応のSTBとなる。XG2がいつ導入開始になるか不明だが、早くても来年の第2四半期であろう。  


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