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DRI テレコムウォッチャー  from USA


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      NSI Research社の デジタル放送とブロードバンドTVの情報サービス      
  年間情報サービス「The Compass」 と 「The Compass」年鑑レポート
 放送/メディア会社、通信事業者・機器ベンダを対象としています。


ストリーミング・ビデオ・プレーヤの新しい傾向 
(ブロードキャスティングレビューシリーズ No.109)
2013年6月20日号

 Roku、Apple TV等のストリーミング・ビデオを再生するためのプレーヤ(STB)は、コードカッティングの象徴であった。OTT-Vは多チャンネルサービスへの加入者を減らしていくと予想され、テレビでOTT-Vを見ることを可能にするストリーミング・ビデオ・プレーヤがコードカッティングの鍵と予想された。ストリーミング・ビデオ・プレーヤのメーカーは、コードカッティングを強調して製品を売ろうとした。中でもBoxee は、デジタル地上波チューナを内蔵したBoxee TVを発売し、これでケーブルTVが不要になるという宣伝をした。

 しかし、OTT-Vを使うことで、多チャンネルサービスから脱退した世帯は少なく、ほとんどの家庭は、多チャンネルサービスに加え、Netflix等のサービスを使っている。コンシューマーは、放送か、オンデマンドのどちらかを選ぶのではなく、両方を使い分ける事を選んだ。しかし、そのような利用者には多チャンネル向けとOTT-V向けのSTBの2つを使わなければならない。2つのボックスを置く必要があり、別のリモコンが必要であり、TVの入力で見たいSTBに切り替える必要がある。

 メーカーはこの現状に気づき始めている。コードカッティングを謳い文句としていたBoxee TVは、その宣伝を止めただけでなく、Comcastとの契約でケーブルTVの番組をBoxee TVで視聴可能にした。Comcast等のケーブルTV事業者が使っている低コストSTBであるDTA(Digital Transport Adapter)の新バージョンで、QAMをIP変換出来るEnhanced DTA(E-DTA)に対応することで、Boxee TVとE-DTAをLAN接続するとケーブルTVの番組とOTT-Vのコンテンツを見る事が出来る。

 LGも同様にDLNAをサポートしているSTB、E-DTAと繋ぐことで、ケーブルTVの番組が見えるストリーミング・ビデオ・プレーヤを5月のNCTA Cable Showで公開した。LGの製品は、Google TVと独自のNetCast OSを使った製品があり、ケーブルTVとOTT-Vの統合を目指している。Boxee TVと同様に本体に加え、DLNAをサポートしているSTB、あるいはE-DTAが必要だが、1つのデバイスで両方のコンテンツを見ることが出来る。

 OTT-Vをテレビで見るためのデバイスとして最も使われているMicrosoftのXbox 360の後続機種のXbox Oneも多チャンネルサービスとOTT-Vの融合をその特徴の1つにしている。Xbox OneではHDMIパススルーを使い、多チャンネルサービスのSTBとテレビの間に入り、Xbox Oneのインタフェースから多チャンネルサービスの番組の検索、操作が出来る。統一されたインタフェースで多チャンネルとOTT-Vの両方を使うことが出来るが、やはり、これ一台だけでは多チャンネルサービスを見ることは出来ない。

 現在、一台でケーブルTVとOTT-Vの両方を見ることが出来る製品としてTiVoがある。TiVoは、QAMチューナを内蔵し、ケーブルTVのCASシステムであるCableCARDに対応しているDVRであり、同時にNetflix、Vudu等のサービスにアクセスする機能を持っている。ただし、Suddenlink等のケーブルTV事業者がレンタル聴許しているTiVoでは、OTT-V機能が使えなくなっている。

 TiVo以外に一台で両方を使えるようにする製品をSamsungが開発している。この製品は、ストリーミング・ビデオ・プレーヤにQAMチューナとCableCARDを加えたもので、この製品だけでケーブルTVとOTT-Vを見る事が出来る。TiVoは、ハードディスクを内蔵しており、本体も高価で、さらにEPGの利用料金として月額$15を払う必要がある。Samsungの製品はDVRでは無く、より安い価格での販売を狙っている。  


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