Netflixのアメリカでのストリーミングサービスへの加入者は、今年の9月までで295.3万人増え、2,510万人になった。Netflixが予定していた、2012年で700万人の増加は達成されないが、増加は続いている。しかし、Netflixへの競合が続々と登場しており、今後の増加は容易では無くなっている。
Netflixの最も大きな競合はAmazonだ。Amazonは、そのサイトで買った商品の郵送が無料になる年間$79のプライム会員の特典の1つとして、ストリーミングサービスのInstant Videoを始めた。最初は、ビデオ本数は少なく、Netflixの脅威では無かった。だが、そのビデオライブラリーは徐々に増え、最近ではストリーミングサービスとしても独り立ちが出来るレベルに達している。調査会社のChangeWave Research社が有料のストリーミングサービスを使っているユーザに行った調査では、Amazonの利用率は、2012年2月には17%であったのが、2012年9月には22%に増えている。同じ期間でのNetflix利用は、84%から82%に減っている。プライム会員数は公開されていないが、Instant Videoの利用者は推定で700万人程度である。
Amazonは、最近子供向けの有料サービスをKindle Fireユーザ向けに開始してる。Kindle FreeTime Unlimitedは、月額$5(プライム会員は$3)で、3〜8歳向けにビデオだけでなく、本、ゲーム、教材を提供している。
Huluは、Amazonの競合では無かった。Huluのサービスは、TV番組のキャッチアップ視聴が主体であったのに対し、Netflixが配信するビデオは、映画と過去のTV番組であった。しかし、Huluも有料のHulu Plusへの魅力を増やすために、キャッチアップだけでなく、映画、過去のTV番組も加えて行く事で、Netflixへの競合になり始めている。Hulu Plusへの加入者は、300万人を超えたと発表されている。
大手通信会社のVerizonと、自動キオスクでDVDのレンタルをして成功しているRedboxが、共同で開始予定のRedbox Instantは、真っ向からNetflixへ挑戦するサービスだ。Redbox Instantは、Verizonがそのクラウドを使って提供するストリーミングサービスとRedboxのDVDレンタルを加えたサービスで、利用者は見放題のストリーミングに加え、DVDのレンタルも出来る。サービス開始は12月の予定であったが、第2四半期まで延期になっている。現在行われているテストでは、ストリーミングサービスは月額$8(Netflixと同じ値段)で、DVDレンタルが$1(月4回)のオプションになっている。
これらの挑戦に対して、Netflixはそのコンテンツを強化している。Netflixは最近、Disneyと契約をし、その映画の配信権を得ている。NetflixはDisneyの映画を封切りの6ヶ月から9ヶ月後に配信する事が可能になる。これは、HBO等の有料チャンネルがDisneyの映画を放送出来るのと同じ時期である。さらに、2016年からはNetflixがDisney映画の独占配信権を持つことになる。NetflixがDisneyに支払う額は、1年で3億ドルになると推測されている。