Google TVの製品化にSonyと共に一番乗りした周辺機器メーカーのLogitechは、そのGoogle TVをベースにしたSTB、Revueから撤退をした。Logitechは2010年末にRevueを発表をした。Logitechはマウス等の入力系周辺機器のメーカーだが、そのホームシアター向けのHarmonyリモコンは評判が高い製品で、家電市場は初体験ではなかった。また、家電製品と言っても、最初にGoogle TVがアピールするのはある程度高度なコンピュータユーザであり、彼らにはLogitechは親しみのあるブランドだ。
Google TVは大きな話題を作り出したが、評判は良くなくなかった。Google TVをベースにしたSony、Logitechの製品の売れ行きも当然と悪かった。地上波ネットワークのABC等がそのインターネットで配信しているビデオをGoogle TVでは視聴不可能にした事は、マイナスであったが、これは大きなダメージではない。元からHuluは、パーソナルコンピュータ以外のデバイスからビデオをアクセスする事を禁じており、コネクテッドTVで見るには有料のHulu Plusに加入する必要がある。ABCも、HuluのパートナーではないCBSもそのウェブサイトのビデオをコネクテッドTV上では公開していない。地上波ネットワークの考えは、TVで番組を見るなら放送されている物を見て欲しいであり、Google TVを特別扱いしている訳ではない。
Logitech Revueは$300で売り出されたが、2011年7月に$100に値下げされた。この様な製品は$300では高価すぎるとの批判があり、値下げにより売れ行きがピックアップすると思われた。しかし、低迷したままで、Logitechは生産中止の決定をした。同社は、Revueで5000万ドル以上の損をしている。
Google TVの問題は簡単に出来ることを複雑にしている事だ。番組検索機能がその1つである。Google TVの目的はTVとインターネットの統合であり、番組検索の時に放送されている番組と、ストリームされている番組を一括で表示する。しかし、これは操作を複雑にする事になり、場合によっては不要な情報を見せている事になる。TV番組の検索ならリモコン操作で出来るが、Google TVではキーボードが必要になる。
Netflix、Amazon Instant Videoを見るなら、もっとも安いモデルが$50で売られているRokuが最高である。Rokuの売りはシンプルな事で、十字キー、再生/ストップ、ホーム等、数個のキーしか無いリモコンで全ての操作が出来る。Netflixの見たいリストに入っているビデオであれば、数回のキー操作で再生が始まる。これ対して、Google TVではキーボードを使い、タッチパッドを使った操作が必要になる。
Rokuでは非常に簡単な検索しか出来ない。しかし、ラップトップ、スマートフォン、タブレットが普及している時、TVで検索をする必要性は無い。何の番組がどのサイトにあるかは、これらの「セカンド・スクリーン」デバイスで検索した方が簡単であり、回りの迷惑にもならない。Google TVでは番組を見ながら、ピクチャー・イン・ピクチャー、あるいはオーバーレイで検索をする事が出来る。番組を見ながら次の番組を探す、何らかの情報を表示する事が出来る。これは、TVを独り占めしている場合は良い機能だが、一緒にTVを見てる人がいる場合、迷惑であり、喧嘩の原因になる。Google TVは検索がベースになっている。Googleだから当然の事であるが、問題はTVで高度な検索をする必要があるかだ。