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デジタル・アクセシビリティー法が通過 (ブロードキャスティングレビューシリーズ No.77)
2010年10月20日号

 アメリカの障害者法、American with Disabilities Act(ADA)をデジタルデバイス、インターネットにも拡げる法案、「21st Century Communications and Video Accessibility Act」が通過した。法令には様々な項目が含まれているが、TV、インターネットビデオに関わる項目としては下記がある。これまで、TV番組に対しては、字幕を付ける事が義務化されているが、インターネットで配信されるビデオにはその規制は無かった。今後、字幕規制はインターネットにも対応し、さらに、視覚障害者がビデオを楽しめるように、画面説明を追加する事、それに、TV、他のビデオデバイスの操作も視覚に頼らずに行えるようにする事等が加えられている。

  • 映像プログラミング:この項目では、FCCに対して3つの調査を命じている。1つは、インターネット、モバイルサービスで提供される映像プログラミングへの字幕のフォーマットの選択、2つ目は、視覚障害者がTVを含めたビデオデバイスの操作(例えば電源のオン・オフ)を出来るようにする方法。3つ目は、映像プログラミングのガイド(EPG/IPG)を視覚障害者が使えるようにする方法である。

  • 字幕と画面説明への対応:現在は字幕対応は、13型以上のテレビとなっているが、全テレビとするだけで無く、音声と映像を同時に受信するビデオデバイスに広げる。また、これらデバイスは視覚障害者に対する画面説明の技術にも対応する必要が加わる。

  • 字幕と画面説明:FCCは2000年に視覚障害者の為に、テレビ番組の場面を音声で説明する事を義務化した。しかし、FCCにはこの規制を作る権限がないとし、法廷はこれを無効とした。この法令は、FCCにこの権限を与える。また、画面説明をデジタル放送環境にも対応させ、緊急通報他の通知を映像以外でも提供させ、さらに画面説明に対応する番組を増やしていくことを命じている。


 この項目では、字幕、あるいは画面説明の対象となる映像プログラミングの定義をテレビ放送で提供される物だけでなく、その同等の物も含める事とする。これにより、インターネット、他の媒体で配信される映像も、字幕、あるいは画面説明の対象に加わる。法令は、TV放送以外での映像プログラミングを3つの種類に分け、それぞれに字幕、あるいは画面説明の規制を作る事をFCCに対して求めている。3つの種類とは、1)TV番組向けに制作され、すでに字幕対象となっていた番組、2)生中継の番組、3)新たな放送番組同等の番組である。

  • ユーザインタフェース:この項目では、インターネットビデオを含めた、映像プログラミングを受信するデバイスを障害者でも利用可能にするために、1)画面の文字メニューに音声を加え、2)字幕、あるいは画面説明を簡単な操作で選択可能にする事を求めている。

  • ビデオガイド:この項目では、多チャンネル事業者に対して、その映像プログラミングのガイド(EPG/IPG)を画面の文字が読めない人でも操作が出来るようにする事を命じている。




(NSIリサーチ社は、2010年1月に、放送・メディアの規制環境とFCCの活動を調べ、まとめた、
新しいレポート「アメリカの放送・メディア政策と規制の状況、FCCの役割」を出版しました。)


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