ユビキタスネット実現のためにはエネルギー供給は必須である
総務省のu-Japan政策は、「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」ネットワークに簡単につながるユビキタスネット社会を実現することが目標です。目標年次は、2010年となっています。
出典:総務省HP http://www.soumu.go.jp/menu_02/ict/u-japan/new_outline01.html
ところで、「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」つながるユビキタスネットを実現するためには、避けては通れない課題があります。エネルギー源です。
ネットワーク機器を稼働させるためには、エネルギーを供給することが必要です。
固定電話は、電話線から給電を受けているので、停電時にも電話をすることができます。しかし、最近普及が進んでいる光ファイバでは、電話線のように給電できないため、電力会社から給電を受けることになります。したがって、光ファイバサービスを利用している家庭では、停電したときや、ブレーカが落ちたときには、ルータが作動しなくなり、電話やインターネット接続もできなくなります。
出典:総務省HP http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/jyuyou-t/pdf/071207_1_si2-4.pdf
光ファイバの普及によって、固定電話網というライフラインの信頼性が落ちているわけですが、携帯電話が十分に普及しているから大きな問題ではありません。
しかし、携帯電話は、常に充電した状態でないと使えません。買って1年もすると、バッテリーの持ちが悪くなります。携帯電話が高機能になって、消費電力が増えており、バッテリー寿命も短くなっています。ワンセグ放送を見たりしているとあっという間にバッテリーがあがります。
携帯電話だけではありません。コードレス電話、ノートPC、PDA、携帯ゲーム機、MP3プレーヤー、シェーバー、ハブラシ、デジカメ、ビデオカメラなど、携帯機器のすべてに、エネルギー源が必要です。乾電池、ボタン電池などの一次電池(充電ができず、使い切ると廃棄される電池)と、リチウムイオン電池などの二次電池(充電ができ、何度も使える電池)が、エネルギー源として利用されます。燃料電池の利用も研究されています。
電池(バッテリー)が切れると、交換したり、再充電したりすることが必要です。この作業は、もはや日常生活の一部になっています。
出典:(社)電池工業会HP http://www.baj.or.jp/knowledge/stage.html
さて、今後、ユビキタスネット社会の実現に向けて、環境埋め込み型のワイヤレス・センサー・ネットワークや、体内埋め込み型機器などの普及が期待されています。
このような、ユビキタスネット向け機器についても、エネルギー源が必要です。しかし、これらについては、モバイル機器と同様の方式(電池の交換、電力供給網に接続しての充電、燃料補給など)が、運用上難しいケースもあります。ユビキタスネットを実現するためには、そのようなケースでも利用可能な、新しいエネルギー源が必要になります。
出典:総務省HP http://www.soumu.go.jp/menu_04/yosan/yosan_17/yokyu_7.html
ユビキタスネット向けの新しいエネルギー源は、どのような機能が必要でしょうか。
燃料等の交換や補充が不要で、長期間(機器が運用される期間)エネルギーの供給を続けられることが必要です。
そのようなエネルギー源として、近年盛んに研究されている技術が、周りの環境からエネルギーを収穫(ハーベスト)して電力に変換する「エネルギー・ハーベスティング技術」です。
データリソース社では、平成19年度、財団法人機械振興協会経済研究所からの委託により、「日本発グローバル発信型ユビキタスネット向エネルギー変換デバイス調査」を実施しました。
次回は、この調査結果をもとに、「エネルギー・ハーベスティング技術」として、具体的にどのような技術が研究されているかを紹介します。