米(ベイ)エリアIT通信


家電製品の間で飛び交うZigBee

2005年1月号

今年最初のMarket Snapshotでは、低消費電力、安価が特長の短距離無線通信規格ZigBeeをテーマにする。無線LANやBluetoothと同様、2.4GHz帯の周波数帯域を利用する規格であり、ごく最近、その推進団体ZigBee Alliance(http://www.zigbee.org/en/index.asp)によって最終仕様が承認された。データ速度は最高250kbps、最大伝送距離が30mと規定されており、ホームコントロールなど家電機器の制御機能やセキュリティ装置、センサー機器、建設現場での作業自動化や医療機器、遠隔モニター用の無線ネットワーク等が主な用途に挙げられる。データ速度が低いため、PCや携帯機器間でのデータファイル交換等には適切と言えないだろうが、大きな魅力はその省電力性にある(機器によっては1本の電池で最低数ヶ月から数年間、稼動が可能とされる)。家電機器、特にセキュリティ関連の装置等はその性質上、大きな電力を必要としない上、家庭の一般利用者もできれば長期間、面倒な電池交換はしたくない。こうした利便上の意味合いからも今、ZigBeeに注目が寄せられている。

ZigBeeは非常に若い市場だが、業界アナリストの間では、産業セクターを皮切りにホームネットワーキングの領域へ徐々に拡大していくといった見方が主流である。ABI Researchの調査結果では、ZigBee規格対応の各種機器は2005年で100万台、続く2006年には8,000万台が出荷されるとの予測がある。In-Stat/MDRでも準拠製品の出荷台数は2008年で1億5,000万台を突破すると見ている。また、最終仕様が承認された事実を受けて、準拠製品は早ければ今月末にも発表される見通しだ。実際の製品化が一旦軌道に乗れば、今後数年の間には各家庭で利用する機器に100個から150個のZigBeeチップが搭載されることになる。全世界で見た場合、ZigBeeチップ市場は2004年で1億8,800万ドルを記録し、2008年における売上高は7億ドルに達する見込みである。米国では2004年は開発の年、2005年は試行、そして2006年で本格的に始動すると期待されている 。

(c) 2005 KANABO Consulting


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